ikikkoさん有り難うございます

Jenkinsでは世界中で色々な人にお世話になってきた。今日はその中の一人、日本のJenkinsコミュニティの大黒柱ikikkoさんの話をしよう。ikikkoさんの事ばかり書くとJenkinsコミュニティの他の人の貢献を過小評価されそうな気もするが、それは別な機会に譲る事にして、今日はikikkoさんの話をしよう。


日本のJenkinsコミュニティは世界でもずば抜けて組織化されている。これが今日あるのはikikkoさんの力によるところが大きい。日本のJenkinsコミュニティを一身に体現する男、それが「リアルJenkinsさん」という愛称の本当の意味だと思っている。決してJenkinsおじさんのようにこき使われているという意味ではありませんよ!


オープンソースプロジェクトというとプログラムを書く人が重視されがちである。でも、実は色々な人が必要なのだ。ikikkoさんが果たしているのはミートアップや勉強会を組織するという活動である。


人間の活動なら何でもそうだと思うが、「これこれこういうソフトウェアを書く」みたいなドライな目標だけよりも、そこに一緒に参加する人達との良い人間関係があると、同じ作業もずっと楽しくなる。オープンソースも全く同じだ。これをコミュニティという。上手く回っているプロジェクトにはコミュニティが必ずある。


Jenkinsではプラグインやアップデートセンターといったようなソフトウェア上の仕組みで開発者のコミュニティを作りやすくして、これが大いに寄与した。勉強会の組織とはユーザーのコミュニティを作るという事で、これに連なるとても大事な仕事だ。


オープンソースのコミュニティ作りで難しいのは、多くの人がボランティアで参加しているという点だ。明確な上下関係もなければ、ゴールさえ一致していない場合も多々ある。それでいて、コミュニティのメンバーの同意をある程度取り付けないといけない。ソフトパワーを駆使して人に働いてもらわなくてはいけないし、何処かで遅滞が生じたらいつでも自分が入って行って解決出来なくてはいけない。このような人間関係は一朝一夕には作れない。だからJenkinsユーザカンファレンスみたいな大きなイベントの開催は、今までの積み重ねの上に成り立っている。今まで5回開催された勉強会があって、その中で得た仲間があって、スポンサーをしてくれる会社があって、その上で初めて可能になったことなのだ。


今回のJenkinsユーザ・カンファレンスには、通常の勉強会の手間に比べて、ずっと手間が掛かっている。部屋ごとに担当者を割り当てたり生放送の手配をしたり、スタッフの食べ物を用意したり、100名規模の懇親会を申し込んだり、スポンサーにお願いをしたり、配布物の管理をしたり、Tシャツやステッカーを作ったり。通常の勉強会では、ikikkoさん自身がこういうタスクを実行するのだが、今回は個々のタスクはスタッフが担当して、ikikkoさんはそれを統括するという管理的な役割をしてくれた。この両方ができちゃうというは素晴らしいことで、ここにikikkoさんの成長を感じた。こういう人を身近に見られるのは大変嬉しい事だ。


ikikkoさんがその手腕を存分に発揮しがいのあるJenkinsという大きな器を作る作業に、僕自身も携わっている事を誇りに思う。やはり職人の道を選んだからにはこうやって尊敬できる人と一緒に仕事がしたい。


ikikkoさんの匠の凄さは外からは分かりにくい。なので、常々この人の素晴らしさを人に伝えなくてはと思っていた。


今日はJenkinsユーザカンファレンスにかこつけて、ようやっとこれを書く事ができた。ikikkoさん本当に有難う。