Launchableでは再びエンジニアを募集しています

Launchableでは再びエンジニアを募集しています。我こそはと思う人は、ぜひhello-applicant at launchableinc dot comまでメールして下さい。

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早いもので、Launchableを作ってもう一年が過ぎました。先日は、それを記念してvirtual team photoを作りました。

この会社は世界が股に掛かっています。シリコンバレーの投資家から資金調達して、開発者向けのツール作りに関わったproduct designerやproduct managerがいます。当初思い描いていたように、日本にエンジニアリング拠点を作ることも出来ました。この業界の皆さんはよくご存じのYoshioriさん、ninjinkunさんを始め、僕の大学時代からの付き合いである超絶エンジニアの岡嶋さん、仕事外でもプログラミングに精力的な北川さんと、とても力のある個性的なメンバーが参加してくれています。

yoshiori.hatenablog.com

ninjinkun.hatenablog.com

お陰で様で、ヨーロッパで、アメリカで、そして日本で色々なソフトウェア開発現場に我々の作った技術が広がりつつあります。テストの実行時間が掛かりすぎるのを何とかするという僕らの取り組みは、間違いなくソフトウェア産業にある大きな悩みの一つに正面攻撃をかけています。

このミッションに共感してくれるエンジニアの人にぜひ来てほしいです。世界に広がっているテクノロジー産業の繋がりを感じて、そこに加わってほしいです。ソフトウェア製品を作って売るというのはどういう事なのか、そのためにどういう役割分担が必要なのか、どうして日本だけに閉じていてはこの先成り立たないのか、Launchableに来て、ぜひそれを体得して、それを肥やしに次に繋げていってほしいです。僕がどうしてこの会社で日本にエンジニアリング拠点を作るのに拘っているかについては、詳しくここに書きました。

kohsuke.hatenadiary.com

そして、今回僕が特に声を届けたいと思っているのは、所謂日本の典型的なソフトウェア開発現場ではマイノリティである人達です。僕は最近、多様性について考えたり発信したりする機会が色々とあって、より多くの人がモノ作りに参加できる世界を作りたいと思ってきました。我々の会社は、最初から世界中に散らばって、リモートで時差を挟んで働いている環境です。オフィスで対面で長時間労働をしないとチームに溶け込めないような、そういう職場ではないです。子供が出来て生活サイクルが変わった人とかに、普通の会社では難しい柔軟な働き方を提供できると思います。対面労働の文化や習慣が定着した大きな会社では、その枠にはまらない人が輝くのは難しい。でも、僕らの会社はそうじゃありません。

ぜひ、Launchableに来て下さい。詳細なjob descriptionはこちらにあります。

www.launchableinc.com

一緒に仕事をしましょう。

 

クリエーションライン社の技術顧問を引き受けることになりました

ここ最近、日本とアメリカのソフトウェア産業に橋を架けようと色々な活動をしています。その縁で、今度、クリエーションライン社でも技術顧問の仕事を引き受けることになりました

クリエーションラインさんともお付き合いは長く、そもそもはCloudBeesでJenkinsの事業をやっている時に、日本でも導入・普及・コンサルティング・サポートなどを一緒に出来ないか、というお話が切っ掛けでした。この種の会社には珍しく、クリエーションラインさんにはLos Angeles在住の鈴木逸平さんという人がいて、アメリカの会社とちゃんと事業開拓をする体制が出来ていたのに関心したのを覚えています。

そして、クリエーションラインさんの面白いところは、ツールやソフトウェアのリセールだけじゃなくて、DevOpsやAgile支援、またソフトウェアの内製化を進めるコンサルティングを手がけているところです。

僕は、日本のソフトウェア産業アメリカのソフトウェア産業の違いの多くがソフトウェアの内製か外注かという契約構造にあるんじゃないかと思っていて、その上でそれぞれの合理性を理解し、そこから次の一手を...と思っています。その問題意識の中で言うと、クリエーションラインさんの方針は、アメリカ式のソフトウェア作りを日本に持ってきて成功事例を作ろう!という事で、それは応援したい取り組みだし、僕の経験や知識も役に立てられるんじゃないかと思っています。

仕事や役割分担の仕方といったものは、言葉やスライドで幾ら習うよりも、実際にやってみるのが一番だと思うので、日本にうまくアメリカ的ソフトウェア開発のモデルが根付けば、そこで経験した人達が次の職場に花粉を広げて...となるかもしれないな、と。

楽しみです。

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ウェビナー: 機械学習によるテスト選択と並び替え

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テスト時間掛かりすぎ問題。職業としてソフトウェア開発に関わった事のある開発者の方なら誰しも経験があると思います。時間が掛かるだけじゃなく、テストの頻度が低いし、実行しても信頼性のある結果が得られない。僕自身にも経験があります。プルリクエストの検証にテストが走るようにしたものの、時間が掛かる割には何の理由もなく失敗したり、その上テストが全件通ったから安心できるかといえば、そうでもない。そして、テストが通るまでの間の時間を潰すために、マルチタスクをする必要もありますね。

今年の頭に、Launchableを興したのは、ソフトウェア開発で昔からおなじみで、どこにでもあるこの問題を解決するためです。我々は機械学習の力がこの問題の解決に有用であると思っています。

今回、我々の取り組みを日本語で紹介するウェビナーを開く事にしました。この問題が、手を変え品を変え様々な形でソフトウェア開発現場にどのように現れるのか、そして皆さんがこの問題を苦労なく解決し、より質の高いコードをストレスなく出荷するためにLaunchableが何をしようとしているのかを紹介しますので、見に来て下さい。

ちょっと毛色の違う多様性の発表をします

僕は日本で育ち渡米し、政治的にも左よりで、また高校生の娘もいるので、多様性というテーマについては肯定的に考えてきました。これを読んでいる男性諸氏にもそういう人はたくさんおられるのではないでしょうか。しかし、それが自分の行動に何か繋がっていたかと言うと、そうではありませんでした。自分はみんなに分け隔てなく接しているし、これでいいはず。どこか観念的な問題。進歩人の基礎的な知的嗜み。

でもそうなんでしょうか?

そんな中、会社のコミュニティ・チームの取り組みの一環として多様性にフォーカスしていこうという提案がチームの中から挙がります。僕は、しかし上長としてそれに賛成することが出来なかった。他にもっと重要度の高い取り組みがたくさんあるように思えたからです。

その時初めて、少数派を取り囲む息苦しさ、見えない壁や天井というのは、「女は使えない」とか「アジア人は自分の国に帰れ」というような積極的な悪意や偏見から構成されているのではなく、僕のように自分を普通や、多様性の推進派と思っている人達が、主観的には合理的に判断を積み上げた結果、真綿のように何かが絞められていく、そうしたものだと気がつきました。

自分は多様性の賛成派のつもりだったのに、実はむしろ壁を作る側だった。ショックでした。

そして、その事について考えていった結果、多様性というのは、性差や人種差といった広く知られている軸だけではないと思うようになりました。むしろ、そういう手垢のついていない職種や熟練度といった別な多様性の軸について考えることで、社会人の多くが自分のそばで解決してきた問題も多様性の問題として捉える事ができる。その視点が、前述のようなより難しい多様性の軸について考える手掛かりになるのでは、と思うようになりました。

数学でいうところの、一般化、というやつです。

これをずっと発信したいと思っていたのですが、今回、ハッカーライフラボのシリーズの一環として、登壇出来ることになりました。

hacker-life-lab.connpass.com

多様性というテーマにあんまり普段は興味を持っていない、特に僕と同じような技術系のバックグラウンドの人や管理者・経営者の人にぜひ来てもらいたいと思っています。普通の多様性の話とは違った、ちょっと毛色の変わった視点の方が届く・刺さる人がいるかもしれないから。特定の多様性の軸を推進するだけじゃなくて、一般的な多様性を推進していく、それが、社会全体の生きやすさに結びつくと思うんです。生きづらさ・疎外感みたいなものは誰だって皆が抱えている事じゃないですか。

この一人ひとりの人生の生きづらさに寄り添う優しさ、それが多様性問題の本質だと思います。だから、一般化して抽象化することで、その一人ひとりに共感する姿勢が失われては元も子もない。

高野さんの、ご自身の半生を振り返る発表を何かの機会に目にして、この「生きづらさ」をこれほど克明に、優しく美しく描写した発表はないなと思いました。自分の事のように聞く人にすっと入ってくるんです。

そういう極めて個人的で具体的で共感できる高野さんのような視点と、一般化されて多数派からの視点を並べることが出来たら、その二つが実はどういう風に繋がっているのか対比させる事ができるかもしれないなと思いました。

だから、今回の発表は高野さんと僕の二人三脚です。

今までの多様性の話とはちょっと違う話が出来るはず。だから今までの話が刺さらなかった人に聞いてほしい。

皆さんの参加を待っています

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Launchable Japan 発足

日本の技術の力と世界と繋げたいとずっと思っていました。その夢が、先日書いた檄文が色々な人の目にとまったおかげで、遂に現実のモノとなりました。

xtech.nikkei.com

先陣を切って日本に技術チームをスタートしてくれたのは、java-jaでコミュニティを盛り上げ、ドワンゴCookpad分散システムの開発に知見を深め、そして輝くチームづくりに情熱を傾けるYoshioriさんです。うちの会社は、社員が全米の各地に散らばっているので、そもそもチームとしてのどのように働くのかについてとても意図的に取り組んでいるので、Yoshioriさんの情熱の方向を知ったら、この人とやりたい!!と強く思いました。一緒に仕事を出来ることになってとても楽しみです。

yoshiori.hatenablog.com

そして、もう一人は、大学時代に最初の会社を一緒にやった岡嶋さんです。大学のそばにアパートを借りて職場と住居兼用でしばらく一緒に暮らしていたのは懐かしい思い出です。何しろこれがプロとしての初めての環境だったので、この位プログラム書けるのが当然なんだと当時は思っていたのですが、その後渡米してから、実はあんなにプログラムが書ける人は世界にもそんなにいないと気付いた時には後の祭りでした。そんな岡嶋さんとまた一緒に仕事出来るのはとても楽しみです。

これからまたもう何人か技術者が増える予定なのですが、まだスタートしていないので名前が言えないのが残念です。

そして、これまた大学時代の友人の紹介で、会社の管理を手伝ってくださる方とも巡り会える事ができました。今回の事を全部ひっくるめて、本当に人の縁だなと感謝しみじみです。

会社の事業も少しづつ、しかし着実に進展しています。世界中の色々なソフトウェア開発の現場で、大規模な実行時間の掛かるテストをどのようにうまく活用するか、苦しんでいる人達がいます。折角テストがあるのに、実行時間が掛かるせいで、頻繁にテストを走らせる事ができず、開発者に素早くフィードバックを届けられない。そういったテスト資産をうまく活用できるように、機械学習を使って、失敗する確率が高いテストから優先して走らせる事で、劇的にフィードバック時間を短縮する事ができます。

誰でも知っているシリコンバレーの某企業や、誰でも知っているドイツの某企業などと一緒に、彼らのフィードバックを得ながら取り組んでいるところです。変化の早い世界に対応するのはソフトウェアの力。COVID-19のせいで色々な変化が加速している今だから、ますますソフトウェアの重要性は増す一方で、それに従ってソフトウェア開発の効率化というのも重要性を増す一方です。

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このチームの書いたコードが、そういう世界に冠たる企業で誰もが知っている製品の開発に使われるのかと思うと、とても楽しみです。そして、足下の日本でも、製造業、金融業、ウェブ企業などを初め、同じような問題を抱えているところはたくさんあります。もし、それは自分のチームかも…と思ったら、ぜひこちらのコンタクトフォームからβプログラムに参加して下さい。

求む、同志

 

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既報のように、こないだから、ここ十年来のプロジェクトであるJenkinsを離れて、新しい事業Launchableを起こしています。ソフトウェア開発者の生産性を上げたい、もっとデータと機械学習を使って、開発者の外骨格である自動化されたプロセス達が効率よく、頭良く実行されるようにしたい、そういう思いを持って取り組んでいます。おかげで、お金もちゃんと集まったし、全米各地の優秀な人達を集めたチームを作ることが出来たし、お客さんも開拓されつつあるし、t_wadaさんにも「強いシンパシーを感じる」とまで言ってもらって、心を強くしています。

しかし、この会社では実はもう一つやりたいことがあります。ずばり、日本にエンジニアリングの拠点を作りたい!

 

日本のソフトウェア産業を全体として見たときに、僕はどうしても悲観的にならざるを得ません。サービスや製品を作る会社は国内という小さな市場しか相手に出来ていないので成功に限界があるし、そうでなければ付加価値の小さな企業社内向けのシステムを作るのが主です。それに加えて、企業社内システムを作るSIerさんたちは、契約とかビジネスの構造上ちゃんとしたソフトウェア開発が出来ません。グローバルなソフトウェア産業を見ると、日本は明らかに時差と言語の壁で孤立しています。アメリカ、ヨーロッパ、インドのソフトウェア産業が密接に結合しているのとは対照的です。

技術者の個人的な技量を見れば、世界に何ら遜色ないのに、それを高い付加価値に変えるビジネスがないのです。とても勿体ない事です。

僕は渡米して20年近くなります。おかげで名前も少し売れたし、欧米のソフトウェア産業を支える人間達のネットワークの一部にしっかり組み込まれました。いつの頃からか、この経験と立ち位置を活かして、日本のソフトウェア産業と世界のソフトウェア産業の間に橋を架けたい、それが僕の責務の一つなのではないかと思うようになりました。

Launchableという新しい事業の機会を、この為に活かしたい。

シリコンバレー本拠の会社で、世界の市場向けに商売できる会社で、日本の技術者の力で良い製品を作りたいです。それが日本の技術の力を世界の他の人達に気付かせる唯一の道です。その過程で、優れたプロダクト開発文化と、そのために必要な役割分担をみんなに身につけてもらいたい。そして、ちゃんとしたexitをします。そしたら、超新星爆発みたいに、ここで身につけた知見と経験を持って、次の場所でみんな活躍してほしいです。僕が20年掛けて学んだ事は何でも教えます。どんどん学んで盗んでいってください。

簡単な道ではないけれども、それだけのやり甲斐があるはず。5年か10年か、それは分からない。会社は失敗する可能性だって充分にあるけど、その間の経験は絶対に無駄にはならないです。一度きりの人生の限りある時間を割くだけの価値があるとは思いませんか。そういう風に思ってくれる腕に自信のある技術者を探しています。世界の舞台で勝負したい人を探しています。お給料もストックオプションもちゃんと出します。

  • アーキテクト。日本のチームの面倒を見られる人。
  • バックエンド技術者
  • フロントエンド技術者 

我こそはという人は、kk at kohsuke dot orgまで連絡ください。

ツレが鬱になりまして

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先日、「ツレが鬱になりまして」という映画を見た。
 
僕の身の回りにも過去に鬱を患った人が何人かいるのだが、この映画を見て、今まで鬱について何も知らなかったし、知ろうともしなかった事を恥ずかしく思った。しかし、一番心に残ったのはそこではない。
 
この映画では、サザエさんちびまる子ちゃん的な「普通」の家族の形ではなく、世界に二つとない独特な夫婦の形が描かれる。それは夫婦の役割分担という事だけじゃなくて、会話の間の取り方だったり、くつろぎ方だったり、互いの風変わりな趣味を尊重することであったりする。大体夫の事を「ツレ」と呼ぶのからして普通じゃないし、例えば、夫が失業してお金がないのに、大枚をはたいて夫が亀を買うシーンがあるのだが、嫁は全然その事に抵抗感が全くない様子が描かれる。
 
多くの人にとって、「普通」でない、というのはそれだけでもう大変に恐ろしいものではないだろうか。多分本当は「普通」な人なんて誰もいないのであろうが、無視しようと思っても、「普通」の方から勝手に規範を押しつけにやってくるのだからしょうがない。鬱という病気にとって、そのような規範の押しつけが特に良くないという事もあるだろうけど、劇中、この夫婦は、特に健康な嫁さんの方は、この二人の独自な関係にどんどん肯定的になってゆく。鬱から回復した夫も。
 
さて、僕の周りにも、不思議な夫婦がいる。正直、どうしてうまく行っているのか皆目分からないが、とても上手くいっているように見える。開けっ広げな感じなので、何かの秘密があるのじゃなくて、「普通」という罠を超えたところに二人だけの特別な関係を作り上げたのだろうと思っている。周囲の人の眼前にあるのに、その二人にしか理解できない関係。世界に一組しかない割り符。公然の秘密。
 
とても素敵だと思った。
 
普通じゃないという事はとても素敵な事である。